第6節 車庫証明業務はするな

 行政書士の業務の中で、世の中の人びとに有名なものに車庫証明業務がある。
 車庫証明専門の行政書士になるのならばともかく、そうでないのならば、車庫証明業務は、事務所に「車庫証明部」を作ってそこが受託する。その他にも「法人設立部」「建設宅建部」「国際法規部」も作る(勿論所長一人の事務所であったとしても)。
 すなわち、顧客に車庫証明だけの事務所と思われてはならない。開業当初は車庫証明でも何でもやりますというかもしれないが、顧客もそう思ってくれるだろうか。
 官公署に提出する書類、許認可手続き、何でもやりますと言って業務を説明する。顧客がはじめて具体的にわかる書類が、たとえば車庫証明申請書や、運転免許更新申請書にならないか。そして、車庫証明申請を依頼している行政書士へ、今度は、行政書士の業務だからといって、たとえば国際法務に関する業務の依頼はあり得るだろうか?
 ある警察署のそばで運転免許証の更新を専門にしている行政書士がいる。税理士でもあり大きな表の通りに面したところでは行政書士で運転免許専門事務所そして狭い裏の道の入口には税理士の看板を掲げている。これはウマイ兼業のやり方である。
 「自分は何でもするし何でもできる。今は車庫証明をやっている」と思うかもしれないが、顧客にとって行政書士は何をするのか何ができるのかはともかく「車庫証明の○○さん」であることだけはまちがいないようである。
 専門を決めるにしろ、兼業するにしろ、顧客に対するイメージ(image)も考えなければならないのではないだろうか。