第2節 ひとりでも多くの人に知ってもらうこと

 専門を決めたならば、それをひとりでも多くの人びとに知ってもらわなくてはならない。どんな資格があっても、どんな能力があっても、世の中の人びとが知らなければ依頼のしようがない。頭の中では当然のこととわかっていながら具体的な行動が伴わない。
 人びとから仕事の依頼を受ける、顧客ができるというのは、実は確率である。何人の人が自分を行政書士と知り、かつ行政書士は何をする資格なのかを知っているのかを考えてみる。その数が二、三十人というのではお話しにならない。自分を知る人びとの中にニーズがあり、ある確率をもって仕事として依頼されてくるのである。
 弁護士は人脈のバロメーター( barometer)として年賀状の数をいう。この枚数が五百枚になったならばイソ弁から自前の事務所をもち独立するそうである。行政書士も五百人といわないまでも、人との繋がりを作り人びとの情報が集まるようにしなければならない。
 そのためには人と会わなければならない。日本は頼み事頼まれ事の社会で交渉と契約では物事は決まらない。人とじかに接触することが決定的に重要である。契約よりも人間関係の方が大切なのである。
 たとえば銀行の融資だって、本当はおかしいと思うけれどお願いして融資してもらうわけである。月にいっぺんくらい酒を飲むのを積み重ねて、お願いしやすい状態を常に作っておくことも大事である。
 恥はかいても義理を欠くなということである。義理堅い人というのは結構いるものである。情報を集めるのがウマイと言ってもよい。鮮度のいい、いい情報というのはインフォーマル(informal)な人間関係から生まれてくる。頭を低くしてお願いすれば、情報はタダで手に入る。こんなことまで教えてもらっていいのかなと驚くこともある。情報は、結局人と人とのネットワーク( network)から生まれる。情報は発信すれば返ってくる。情報とは変化である。「変化しないもの」「変化させないもの」は情報ではない。
 このような関係から仕事の依頼があるのであって、行政書士だから、弁護士だからというのではない。ひとりでも多くの人と出会うことである。
 そこで、なんと一日で五〇〇人と知り合う方がある。そんな人脈作りがあったのかと驚くかもしれない。秘中の秘なのであるが、そっとお話ししする。
 たった一日で五〇〇人の人脈を作る方とは?
 それは、五〇〇人の人脈がある人を一人知り合えばよい。