第9節 行動力が決めて

◆I行政書士の場合


 Iさんは開業したての頃から行動力があった。営業の経験などないのに顧客の獲得に飛び込み訪問をする、タオル( towel)をもって近所の会社、お店に挨拶してまわるなど、とにかく動いていなければ、というようなところがあった。
 こうした活動はほどなく功を奏する。開業当初から業務の依頼が相次いだ。
 営業の原点は飛び込み訪問である。そうはいってもまったく見ず知らずの会社を訪問するには勇気のいることである。
 Iさんは、開業したてのまず6か月を必死でやろう、のんびりとやっていたのではいつまでもダメだろう。行政書士としてやっていくための自信と度胸をつけようという意味で営業の方法として飛び込み訪問を選んだ。これくらいできなくては、という気概もあった。
 たしかに、行政書士は飛び込み訪問で顧客はできるものではないかもしれない。しかし、ただ漫然とお客が来るのを待っていてもなおのこと顧客が来るものではなく、それは座して死を待つに等しい。
 顧客に呼ばれたならば、交通手段はオートバイ( autobicycle)で、すぐに跳んでいく。
行政書士の仕事をデスクワーク( desk work)と思っている人がいる。官公署の前に事務所を構え、お客が飛び込んでくるのを待っている。そういう時代ではない。
 行政書士というのはサービス業である。労働をサービスするのが第三次産業であるが、行政書士の場合は知的なサービスも必要であるから、第四次産業といってもいい。いずれにしてもサービス業なのである。サービス業の本質はなにかというと行動力である。客の立場に立って行動あるのみである。