第6節 会社を設立したら離さない

◆F行政書士の場合


 Fさんは会社を設立する。新聞に広告を掲載し今までに何十社も設立してきた。そのひとつひとつの会社を大きく育てていく。またそうでなければ、この仕事はおもしろくないとFさんは自身のほどを見せる。
 会社の設立手続きとは登記所へ書類を出すこと、と思っている人たちがいる。会社の登記簿謄本をとることがすべてで、それで依頼はおしまいと考えてしまうのである。
 会社の設立は手続きで終わるのではない。人でいえば新しい命の誕生である。
 人は生まれたならば役所に届ける。会社も同じである。会社の設立の届け出も行政書士が手伝う。税務署、県税事務所、市役所に届け出る。
 子どもが生まれたならばうれしくてその記録を写真に撮る、ビデオに撮る。育児日誌もつける親がいるかもしれない。会社を設立した日にうれしくてビデオに撮る人はいないかもしれないが、その日から育児日誌ならぬ会計帳簿は付けなければならない。できたての会社で、経理担当者はいない、スタッフ(staff)もいない、そこで、行政書士が記帳代行する。
 会社はこれからさまざまなことに直面するであろう。経営上、法律上、様々な障害にも遭遇するであろう。これからが大切なのである。
 会社を設立するたびに、Fさんは、これからその生まれたばかりの会社と共に二人三脚で歩んでいこうと思うのである。