◆Eさんの成功のポイント

 専門の業務というほどのものをまだもち合わせない女性行政書士のEさん、その成功のポイントは何だろうか。
 女性で営業力も兼ね備えていたとしたならば、「営業ができる」「書類の作成ができる」「官公署に提出できる」のいわば三拍子をそろえて、たちまち行政書士として一人前になれるということであろうか。
 自分には営業力がないと自覚するEさん、行政書士の実務研究会の同じ行政書士仲間の業務を手伝う中から、営業的センス(sense)を身につけていこうとした。
 営業力はあるが事務所内に多くのスタッフを抱えていない男性行政書士は、Eさんのような事務能力に長けている人、器用に何でもこなしてくれる人は重宝するものである。
 さらに、行政書士の仕事には繁忙期と閑散期がある。いつも事務員を雇っておくほどではないがこの時期には人手は欲しい、あるいは急ぎの仕事が依頼されたがとても手が回らないという時、経験のある行政書士に手伝って欲しいと思うものである。
 Eさんは、依頼されたことは決して断らない、確実に事務処理をしてくれる、安心してまかせられると信頼される。そうすると行政書士ばかりでなく税理士事務所などからも依頼される。そのうちに税理士事務所を通さず、直接Eさんに仕事が依頼されてくるようになる。
 最初は他の事務所のお手伝いのつもりでもだんだんとひとり立ちしていく。いわば場数が増えるのである。これが事務員としての場数では、所詮、事務所の所長先生の庇護のもとでの場数である。  それではいつまでたってもひとり立ちできない。ところが、他の事務所からの依頼であると責任がまったく違うし、ミスをするともう二度とは依頼されなくなるからEさんとしても必死である。それがまたいい緊張感を生みいい仕事をする。そこに信頼が生まれる。補助者として行政書士事務所に就職するのとはまるで違うわけである。