◆Aさんの成功のポイント

 紹介のみで顧客を増やすAさん、その成功はどこにあるのだろうか。
 Aさんの事務所スタッフは、所長のAさん、補助者に奥さんと男子職員が三名、総勢五名である。忙しいときには仲間の行政書士に応援を頼んでいる。建設業者を数十社を顧客にし、顧客への訪問、折衝はすべてAさんが行い顧客と親密な信頼関係を築き上げている。
 顧客先の旅行会や忘年会に招待されるのは当然のこと社長の子息の結婚式にも招待を受ける。旅行会や忘年会には社長の同業者仲間もたくさん招待されている。そこで新たな建設業者の顧客が紹介されるチャンスである。
 Aさんと建設会社の社長の会話である。
社長「どういう仕事をなさっているのですか?」
Aさん「私は、建設業関係です。」
社長「そうですか。先日もある行政書士さんが営業に来たのですが、その方は『何でもやります』と言っていましたが、何でもできる、というのは信じられないですよネ。」
そこでAさん、なおのこと意を強くし胸を張って、「はい、私は建設業専門です。」と言い切ったのはいうまでもない。
 建設業者は、元請けから下請け、下請けから孫請け、孫請けからさらにひ孫請けと、工事の受注はピラミッド階層のごとくふもとが広い。ひとつの建設業者が関わる建設業者の数は中小企業でも五、六十社と取引がある。一社でも建設業者を顧客にもつと、それこそねずみ算式に顧客が増えていくというものだ。
 Aさんの顧客は、業務を行った建設業者から仕事仲間を紹介してもらうことによって倍加する。紹介が顧客開拓の方法であるとはよくいうことではあるが、いうところの友人知人、同窓会、趣味の会、いわゆる人脈の会などの人びとからの紹介なのではない。
 顧客からの紹介こそが顧客開拓の王道なのである。