第4節 行政書士の将来
     行政書士の将来はバラ色

◆規制緩和で行政書士の業務は拡大する

 行政書士は、将来も有望な職業である。
 社会は規制緩和へと動く。だから許認可が少なくなり行政書士の仕事も少なくなる、のではない。  社会はつねに変化する。世の中の人びとのニーズ、行政の要請により新しい法律ができる、法律が改正される、そこにまた新しい行政書士の業務が生まれる。
 昭和46年の建設業法改正により、建設業が登録制から許可制になった。昭和58年には「貸金業の規制等に関する法律」の施行により貸金業は届出制から登録制になった。
 昭和60年に改正されたいわゆる「新風俗営業法」による風俗営業の許可制度、昭和61年施行のいわゆる「労働者派遣業法」による労働者派遣業の許可制度、平成6年度には「行政手続法」が施行された。その他医療法人設立認可、投資顧問業登録制度、産業廃棄物処理業許可制度など、行政書士の業務は拡大しこそすれ減少するものではない。
 規制緩和、規制緩和というが、実は規制緩和と安全な社会とは二者択一の問題である。
 たとえば、営業免許による規制は消費者保護のためである。無知で無力な(であるという前提で)国民を、あらかじめ予想される危険から排除しておこうということで、さまざまな規制が設けられる。ある営業を予防的に許可制をしいて監督を強化しようという発想になる。
 「このような規制は官僚の権威主義だ」「省益」だ、と言う者が一方で「このような悪徳商法を野放ししているのは、行政の怠慢だ、即刻法律を制定して取り締まれ」と言う。

 悪徳商法にひっかかる者を保護しようというならば規制であり、規制がイヤで安全を要求しようというのであれば、悪徳商法の被害者が相手に対して訴訟を起こすほかはない。
実際規制の少ないアメリカは、市民がちょっとしたことにも訴訟を起こすいわば訴訟社会である。日本がアメリカのような訴訟社会になっていくというのであろうか。
 いずれにしろ行政書士は、行政、社会情勢などと密接な関係にある。行政組織、行政機構の変化により業務も多岐多様に変わっていく。社会組織はますます複雑になり、高度専門化する。規制緩和、行政事務の簡素化は、事務の民間委託が促進され、企業の事務担当者の負担となり、それを業とする行政書士の業務の拡大となろう。
 勿論なくなる業務もある。世の中の動きに疎いためにだんだんと業務が少なくなり衰退していく他の「士業者」を見るまでもなく、なにもそれは行政書士に限ったことでない。
 社会環境、時代の変遷とともに新しい法律が公布され、施行される。それに伴いまた新しい届出書類、許認可書類が必要となるのである。