◆円満解決能力のある人

 行政書士に向く人は、円満に解決する能力のある人がいい。
 弁護士は、社会正義を実現することを使命とする(弁護士法1条)というが、その仕事は、どちらか一方(原告または被告)の側に立ち、相手(原告または被告)と闘争するのを好む人に向いているといえる。
 行政書士は、依頼人はもとより相手方の言い分もよく聞いて納得させ、そのことを書類にすることの方が好きな人に向いている。争うよりは、「まあまあ、そう言わずに」と両者を円満に、平和的にものごとを解決する能力のある人がいい。
 弁護士は、基本的人権を擁護(弁護士法1条)するといって、人権が行使できない場合に行使できるようにする、あるいは不当な判決を免れる、または不当な請求を斥けるというように、依頼者の「もともとあるべき姿に戻すこと」が仕事である。
 行政書士は、これから事業を始める人のための会社を作ってあげる、新しく営業の免許や許可をとってあげる、日本国籍を取得して日本人として生活をスタートさせてあげるというように、依頼者に対して、「これからの、前向きな、積極的な創設的利益をもたらすこと」が仕事である。
 過去の利益を後から計算して税務申告する税理士、不動産の権利を保全するために登記する司法書士などは、後処理の消極的な利益をもたらすことが仕事といえないだろうか。