◆実務の研修

 実務を学ぶ方法として、行政書士事務所に勤めるという手もある。東京や札幌には補助者80名の大きな事務所もある。新聞の求人欄で補助者を募集している事務所も見受ける。
 ただ、補助者になるというのは就職することである。行政書士に限らず、「士業」界には数年間修行をして独立するという方法が昔からあった。いわば雑役に従事する丁稚が年季奉公し、長年忠実に勤めて顧客を分けてもらう、いわゆる暖簾分けである。もっとも現在は暖簾分けなどめったにないが、それ以外は似たようなものである。このような非近代的なことを旧態依然とやっているようではいつまでたってもその業界は発展していかない。
 数年間補助者であることの時間のムダも考えなければならない。
 実際に時間をかけて見習わなければならないことは何か。1回やればわかることを見習いと称して何度もやる必要はない。もっと勉強すべきことがほかにたくさんある。
 行政書士の業務範囲は広く、ひとつの事務所が手懸ける業務は全体からみればごく一部である(補助者が何十人いようと)。何年も補助者を経験して、覚えたのが二、三の申請書の書き方だけというのでは困る。他の業務はどうするのだろうか。
 それよりも、一番大事な自分の顧客はどのようにつくる? 事務所経営のノウハウはどのように学ぶ?
 そして、開業資金は準備できているのだろうか?