◆司法書士との職域

 司法書士は、「……登記又は供託に関する手続の代理、裁判所、検察庁又は法務局若しくは地方法務局に提出する書類の作成。これらに関する審査請求の手続について代理することを業とする」(司法書士法 2条)。
 行政書士と司法書士は、その歴史的沿革において代書人制度から発展してきたものである。代書人は、司法関係の書類を代書する司法代書人が分離し今日の司法書士制度として発展した。のちに土地家屋調査士制度が分離独立した。
 一般的な書類を代書するのが一般代書人であるが、今日のような高学歴社会においては、一般代書というのはありえない。現代は行政書士法 1条「権利義務に関する書類」の規定から「法務」に関する書類の作成をする。「官公署に提出する書類」ととらえるのではなく、「権利義務と事実証明に関する書類」を作成することを行政書士の業務とする。これが行政書士制度として発展し、のちに社会保険労務士制度が分離独立した。

 司法書士は、不動産登記業務を中心に商業登記の書類作成ならびに登記申請代理を業としている。その業務は「司法」すなわち裁判所に関する書類の作成よりは不動産登記、所有権移転ならびに抵当権設定の登記が主である。法務局、地方法務局の出張所(登記所)のそばに事務所を構え業務を行なっている。

 行政書士は、「行政」官公署に提出する書類の作成のみならず、たとえ商業登記に関する書類で法務局へ提出する書類であったとしても、その添付書類は作成することができる。

 たとえば株式会社を設立するには、次の書類が必要である。
@定款、A発起人会議事録、B株式申込事務取扱委託書、C取締役および監査役選任決議書、D取締役および監査役の就任承諾書、E取締役会議事録、F取締役および監査役の調査報告書など。
 これらの書類は、行政書士が業として作成することができる。
 定款を作成するのみならず、依頼人からの委任を受け公証役場へ代理人として認証を受けに行くこともできる。ただし法務局、地方法務局または出張所へ代理人として登記を申請することはできない(同法19条)。

 以上述べてきた以外に行政書士が業務を遂行するのに関係してくると思われる士業に、弁理士(弁理士法 1条および22条の 2)、測量士(測量士法48条および55条の14)、土地家屋調査士(土地家屋調査士法 2条および19条)、海事代理士(海事代理士法 1条および17条)、その他、建築士(建築士法)、通関士(通関士法)などが考えられる。それぞれの業務を規定した法律の条文を参照していただければと思う。