◆税理士との職域

 税理士は、「他人の求めに応じ、租税に関し税務代理、税務書類の作成及び税務相談をすることを業とする。」(税理士法 2条)。
@税務代理
  税務官公署に対する租税に関する…申告、申請、…代理し、ま たは代行すること。
A税務書類の作成
  税務官公署に対する申告等にかかわる申告書、申請書、…税務 官公署に提出する書類で、大蔵省令で定めるものを作成する。
B税務相談
  税務官公署に対する…申告書等の作成に関し、租税の課税標準 等の計算に関する事項について相談に応ずる。

 税理士は以上の業務(税理士業務)のほか、税理士業務に付随して財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行その他財務に関する事務(会計業務)を業として行なうことができる。@〜Bの業務は税理士の独占業務である。税理士でない者が税理士業務を行なうと罰せられる(同法52条、59条)。
 税務署へ出向いたところ「税理士のニセモノにご注意を!」という大きな看板があった。「ニセモノ」とは何ごととびっくりしたが、聞いてみればなんのことはない。納税者が税理士でない者(これがニセモノということらしい)に税務の申告を頼んだりすると不利益を被ることがあるから、税理士以外には依頼しないようにということらしい。

 税理士でない者が税理士業務を行なうと罰せられるが、会計業務は該当しない。会計業務は、行政書士の正当業務である。東京都行政書士報酬額表には「記帳処理、会計帳簿作成」が記載されている。会社や商店の会計帳簿を記帳してあげることは行政書士でもできる。
 また、行政書士はAの税務書類の作成はできないが、この税務書類に添付して税務署に提出する決算財務書類(貸借対照表、損益計算書など)、同内訳書は業として作成することができる。行政書士は行政書士の資格で会計事務所を経営することができる。行政書士で「○○会計事務所」と称してもかまわない。
 税理士が行政書士の業務を行なっている(そのため行政書士は仕事がない)とは、ときたま聞くことであるが、税理士は行政書士となる資格を有する(行政書士法 2条 5号)にすぎない。資格を有することと、業務ができることとはまったく別である。