◆法律相談はどこまでできるか

 行政書士は「権利義務に関する書類」の作成について相談に応じることを業とするが、弁護士法72条の問題はないのだろうか。顧客の相談にはどのようなことでも応じることができるのだろうか。
 「権利義務に関する書類」(行政書士法 1条)は「その他の一般の法律事務」(弁護士法 3条)に包含されるが、法律相談といっても弁護士法に抵触する業務範囲を考えなければならない。

 では、法律相談はどこまでがよくてどこからがダメなのか、その基準は何か? といっても、それはケース・バイ・ケースであるとしかいいようがないが、こんなたとえ話で少しはご理解いただけるだろうか。
 私はスポーツクラブで週に一、二度泳ぐことにしている。その水温が30〜31度である。温水であるから冷たくはないが、やはり水である。汗を流すために、後はバス (bath)を利用する。そのお湯の温度はお風呂に適温の41〜42度を示している。これはまさにお湯である。プールの温度30〜31度とバスの温度41〜42度と、その差はたった10度である。
 ご存知のように水は氷点の〇度から沸点の100度まである。その100度という大きな温度差の中で、私がその日に泳ぎ、入浴して身体に触れた温度差はたった10度である。サウナの後に熱い熱いといって飛び込む水風呂の水温でも20度である。これはもう非常に冷たい。3分も入っていると身体の芯までしびれてくるようである。
 行政書士の法律相談も、42度以上の高温の、ましてやけどをするようないわば弁護士法に触れるような内容はさしひかえて、30度から40度のちょうどいい温度の法律相談(これを法務相談という)にとどめておくということであろう。また、それで充分である。