第2節 行政書士の仕事は
    相談に乗ること
    「書類を作成すること」の前に「相談に応じること」がある

◆行政書士の仕事は相談に応じること

 行政書士の仕事は大きく分けてふたつある。ひとつは「書類を作成する」ことであり、もうひとつは「相談に応じる」ことである。
 巷間、行政書士を語るに「行政」「書」「士」だから「行政」書類を「書」く「士」であり、もって「官公署に提出する書類を作成する資格」「許認可手続の書類を作成する資格」といわれる。
 そういわれればまさにそのとおりなのであるが、これから行政書士を目指す人はともかく、よしんば 行政書士がそう思っていたとしたら、正鵠を誤ることになる。
 「書類を作成する」という行為は行政書士の業務の中でも一部をいうにすぎない。「書類を作成する」ことよりも「相談に応じる」ことのほうが重要であるといってもいい。
行政書士法第1条の3に、「行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、書類の作成について相談に応ずることを業とすることができる。」と規定されている。
 昭和55年の改正で追加されたので1条の2「書類を作成すること」の後にあるが、業務の後先を言えば、まず「相談に応じること」が先である。書類を作成するにあたって依頼者と相談をする、これを相談業務という。

 ところで、相談に応じなくても作成できるような、誰でも簡単に書けるような定型的な書類の作成は、どちらかといえば専門業務にしないほうよい。
 たとえば、官公署のそばに事務所を構え大きな看板を掲げる。官公署へ来た人たちの中には、書類を自分で書くのは面倒だから事務所に来て「書くこと」を依頼する。そこで、依頼者の面前で直ちに書類を作成する。登記所のそばの司法書士と同じイメージで、行政書士をとらえないほうがよい(せめて、これから開業する近代的行政書士は……)。
 依頼者の相談に応じ、(チョットは)頭を使うことが行政書士の仕事である。